「BFD3」は人類の敵か?味方か?【使い方レビュー】

ドラム音源。

 

それは本物のドラムセットを自宅で鳴らすなどしてしまったが最後、近隣の地域社会で良くて孤立、悪くて通報対象となる監視社会日本に生まれたDTMerに残された、最後の砦だと言えるでしょう。

欧米人の何かあるとすぐ自宅のガレージを改装して作業場にできる文化を羨んでいても仕方ありません。
我々日本人もせめてパソコンの中でくらい、思い切りツーバスを踏んでやるのです。

 

 

少し、湿っぽくなってしまいましたね。

 

今回のレビューは「FXpansion BFD3」です。

 

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BFD3とは一体

 

「FXpansion」というイギリスの会社からリリースされたドラム専用音源です。

主な目的はMIDIをリアルなドラムサウンドで鳴らすことにありますが、このソフト単体でドラムの打ち込みが完結できるように設計されており、様々なツール、機能が用意されています。

初代BFD1の発売が2003年ということで、人ならそろそろ反抗期を終えるくらいの長きに渡って売れているロングセラーだというのですから、その評価の高さが窺えます。

 

以下、その特徴について項目ごとに触れていきます。

 

音の良さ

 

どこで紹介されてもまず挙げられているのが「音のリアルさ」です。

BFD3はドラムっぽい音色をシンセで生成しているのではなく、本物のドラムをマイクで録音したオーディオデータを鳴らしているのでかなり真に迫った音がします。

上手いこと打ち込みとミックスができれば、生録音と聴き分けができないレベルの音源が作れるでしょう。
むしろ海外の著名なスタジオでビンテージ機材を山ほど使って録音しているからか、下手に自分で録音したものより遥かに扱いやすかったりします。悲しい。

 

出来ることの多さ

 

基本的に実際のドラムレコーディングの工程に準拠した造りになっているため、やろうと思えば物凄く細かく音の追い込みができます。

 

マイクが多い

キックやスネアはそれぞれ独立したマイクが3本立っていますし、金物やタムの全てにオンマイクがあるのはもちろん、オーバーヘッドを始めとするアンビ系マイクに至っては8~10本あります。
一目で致死量とわかる数です。死ぬのは言うまでもなくリアル録音などしたことのない初心者DTMerです。

やりたい音楽にもよりますが、現代的な日本の音楽をやる上では明らかに必要ないマイクもあるので、自分からいじりたくなるまではドラムプリセットを使ってイメージに近い音を探す方が無難です。

 

エフェクトを内蔵している

上記のマイク一つ一つに対してBFD3上で内蔵エフェクトをかけられます。

EQ、コンプからトランジェントシェイパー、モジュレーションまで一通り揃っているので、面倒なら音作りをこれで全て完結するのもアリです。音的にも問題なく仕上がります。

もちろんDAWにパラアウトして自前のエフェクトをかけることもできます。

 

現実ではできないことを平然とやってのける

このBFD3、およそ出来ないことなどないという状態に飽き足らず、「現実では出来ない設定」さえもできるようになっています。クローンが本物を超えようとしてくるSFみたいで怖いですね。

これは各マイクごとに設定できるパラメータ画面です。
中央の「Bleed」というパラメータは「キック及びスネアのマイクにどれだけ音を被らせるか」を設定できます。

実際のレコーディングでは各パーツごとにマイクを立てて演奏しながら録音するのですが、いくらスネアだけを狙って設置しても、どうしても位置の近いキックの音が薄く入ってしまいます。逆も然りです。

その”被り”もある程度までは音像のリアルさに貢献するのですが、度を超すとミックスが見違えるほどやりづらくなります。コンプをかけた時に実音ではなく被りに対して反応してしまったりするなど、いろいろ問題が出てきます。

 

そんな人類を悩ませていた課題に対してBFD3、いやFXpansionが出した答えがこの「Trim」というツマミです。
これを回していい感じの混ざりのトコで止めてね!というのです。こういうヤツが上司に気に入られるんでしょうね。

そしてご想像のとおり、ツマミを左に振り切れば被りが完全にゼロになります。自然界ではあり得ない現象です。FXpansionが世界を牛耳ろうとしているように思えてなりません。

 

あとは、下にある「Ambient Mics」も同じ機能です。
こちらはそれぞれのアンビエントマイクにどれだけ設定するパーツ(上の画像ならキック)を被らせるかを意味します。

初期設定ではこの被り量がかなり多く設定されており日本の音楽には合わないことも多いので、適宜切ったり減らしたりする必要があるように思います。
イギリスでは紅茶とアンビエントは多いほどいいみたいな文化なんでしょうか。

 

打ち込みツールの便利さ

 

BFD3には「Groove Editor」という打ち込み機能が搭載されており、ソフト上でドラムパターンを作ることができます。

打ち込みならDAWでやるけど……。という方も多いと思いますが、あえてBFD3上でやるだけのメリットがあります。それは以下の2つ。

 

ヒューマナイズが簡単
画像下段の「Groove FX」と書かれた辺りにあるパラメータで、ヒューマナイズ(実際に人が叩いた時の微妙なタイミングや強弱の揺れを再現すること)を一括設定できます

DAW上で一つ一つベロシティやタイミングをズラすのもいいですが、Groove Editorならとりあえずベタ打ちしてフレーズを作った後、いっぺんにヒューマナイズをかけて出来たMIDIをDAWに貼っておしまい、が可能です。

ヒューマナイズの強さやノリの種類も選べるので、「楽にリアルな打ち込みをする」ための一連の作業が完結できるという点で大きな強みがあるのです。

 

フレーズの貯金ができ、管理も楽
Groove Editorで打ち込んだフレーズはBFD3上で保存、管理ができます。

個人的におすすめの使い方として「自分で作ったフィルインやパターンを入力して保存しておく」というものがあります。

BFD3にも他のドラム音源と同様に何千という数のドラムパターンが収録されてはいるのですが、海外製のパターンは往々にして大味で、日本的な曲には合わないことがよくあります。

結局自分で時間をかけて入力した自分好みのパターンが最も使えるのは当然と言えば当然なので、それを常にGroove Editor上で貯めておけば、次回以降のアレンジでも「あの時のパターンがイメージに近い」という時に一瞬で呼び出すことができます。

もちろん普通にMIDIでフォルダに保存しておいても同じことができますが、エクスプローラーからアクセスする手間を省けることパターンを選ぶと同時に同じ画面で曲に合わせての調整が行えることを考えると、BFD3管理の方に軍配が上がるかと思います。

 

 

ロスレス圧縮の有難さ

 

BFD3の形容詞として「音がいい」の次に出てくる単語は「重い」と「容量がデカい」です。

まず容量ですが、非圧縮でインストールするとそのサイズは155GBにも上ります。エロフォルダか。

また、PCへの負荷も割とあります。メモリ16GBのデスクトップPCではそこまで感じませんが、ノートPC環境では問題になりうるかもしれません。

 

これではスタバのmacbookerにだけ嫌がらせをしていると取られても仕方ありません。
しかしそこは天下のFXpansion。またしても僕らを驚かせてくれました。

 

BFDシリーズ産みの親・開発者インタビュー

詳しいことは上記サイトにありますが、要は音を鳴らすたびにアタックの部分だけをメモリで読み取り、リリースの部分はストリーミングするから軽くなるよ!という理屈らしいです。まぁ軽くなるならなんでもいいか!という気持ちにさせてくれますね。

このひみつ道具みたいな技術により、155GBあった容量も55GBで済むようになりました。それでも結構ありますが。

 

また動作に関しても、このメモリとストリーミングの読み出し比率をPCに合わせて設定してあげることで軽くできるそうです。
詳細は以下の動画で。

 

購入から2年が経って

上で紹介しながら細かい所感は書いてしまったのでざっくり全体についてですが、総合ドラム音源としてかなり優秀だと思います。

音質もさることながら、打ち込みからミックスに至るまでドラムに求められる機能がよく考え抜かれ、DAW上のワークフローに組み込みやすく設計されているのでとても使いやすいです。

ただ、どこでも言われていることですが初心者には慣れるまでに時間がかかる音源です。
詳しい設定は分からないけどとりあえず自分の曲をいい音で鳴らしてみたい、という動機だとその目的がなかなか達成されず、使いにくいと感じるかもしれません。

そういう目的なら(これも定説ですが)「Addictive drums」の方が向いています。
BFD3は自分の音にこだわりが出てきた時に導入すると、たくさんの可能性を示してくれることでしょう。

 

あとは上でも触れていますが、プリセットにしろパターンにしろ、そのままでは使いにくいものが多い印象です。

僕もそうですが、日本的なポップスやロックを作りたい人にとってはリバーブが深すぎたり、極端にヌケの悪い音だったり、ずっとクラッシュを鳴らし続ける使いどころの不明なループだったりと、特に導入当初は面食らうようなものが多いです。

そもそも海外製品なので日本的でないのは当たり前なのですが、例えばネットで知った凄いクリエイターが使ってると知って導入したとかだと結構ガッカリします。そう、僕の話です。

 

憧れのあの人の音は、残念ながら音源だけを真似ても手に入るものではないのです。
そこには技術があり、時間があります。
少しでもその距離を縮められるように頑張りたいですね。

 

そうして距離を縮めるためにと、入ってきたお金をどんどん高いプラグインに変えるモンスターが生まれるのです。
ようこそ、歓迎します。

 

使う時のコツ

僕が使っていて気付いた使い方のコツを書こうと思いますが、長くなったので別記事にします。
公開したら随時ここにリンクを貼っていきます。

【BFD3使い方のコツ】BFD3を使いたい初心者に贈る「プリセット」の話

2018.05.20

・ピークに注意

【BFD3使い方のコツ】BFD3の押さえておきたい「ツボ」の話

2018.07.15

・有料プリセットパックについて

など

 

終わりに

僕にとっては相棒と呼んでもいいくらいの登場頻度を誇るBFD3
水谷豊にとっての寺脇康文のようです。何か言いたそうな顔をしていますね。

お値段は4~5万と購入には勇気がいりますが、間違いなくそれ以上の働きをしてくれます。
このブログがその敷居を少し下げられていたなら良いなと思います。

 

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あとまだブログを書くことに慣れていないため、好き勝手書いていると長くなりがちです。
どう書いていいかもわかりませんので、書くべきだと思うことを書いているだけの現状です。

こうなるともう頼れるのは他でもない、読者のアナタです。
ここがいい、ここがダメ。なんでも結構ですので、いつでも当方にご意見をお寄せいただければ幸いです。ぜひ運営のヒントを!