「ダンスロボットダンス」をコピーしたので分析結果を晒す【ナユタン星人】

ダンスロボットダンス 分析 アイキャッチ

「名曲がどうやって出来ているのか知りたい」

 

DTMerという生き物にとって、これ以上普遍的な願いもないでしょう。

僕もご多分に漏れず、そう思っては耳コピして分析を繰り返しているわけですが、やはり発見は多いです。深夜2時とかに独りハシャいでいる時があります。

 

しかしその興奮を共有できる友達がいないことにいつも傷つくので、今回からコピーした曲の分析結果を記事にして発信することにしました。

曲のコードや展開を解説するサイトは多いですが、丸々コピーして細かく解説する記事はあんまり見かけないので、需要もあるんじゃないでしょうか。あれ。

 

コピー・分析ともに全て耳コピですので、不完全なところや間違いもあるかもしれません。見つけたら決して騒がず、静かに教えてください。

 

今回コピーした曲

ダンスロボットダンス - ナユタン星人

 

シンプルな楽器編成とミックスながら、

  • キャッチーな曲展開
  • 耳に残るサビ
  • 独自の世界観

といった、人気の出る曲の要素を全て押さえている完成度の鬼みたいな曲です。

聴く度にうっすら(弘法筆を選ばず)という文字が脳裏に浮かびます。

 

しかし何と言ってもDTMer的に気を引かれるのは、その使用機材

作曲者のナユタン星人さん(以下敬称略)本人がインタビューで語ったところによると、

ナユタン星人使用ソフト

DAW → Cubase

ドラム → Addictive drums2

ギター → ELECTRI6ITY

ベース → Trilian

シンセ → Massive

という、This is ボカロPって感じのラインナップだと言うのです。

 

凄まじい親近感を覚えます。インターフェースは多分、QUAD-CAPTUREを使っていることでしょう。

 

来歴に謎の多い方ですが、どこかで見かけた「ナユタン星人自身が極度のボカロ厨であり、だからこそ”ニコニコで受けること”に超特化した曲が書ける」みたいな考察になんとも説得力が出てくるようです。

曲自体もそうですが、何よりも他人と(ほぼ)同じ道具を使って人並み以上の結果を出したその手腕に「かっこいい」と感じてしまうコンポーザーなのです。

 

コピーした結果

こうなりました。

 

やはり同じ音源を使うと、それだけである程度雰囲気が似てきますね。

あと2番以降はほぼ1番の組み換えだったので省略しました。違いは2Aメロにシンセの連打が入るくらい。

 

以下、セクションごとに細かく分析した内容を書いていきます。

 

イントロ(0:00~0:20)

イントロ前半(0:00~0:10)はスネアの手数が多いドラムに、曲を通して繰り返されるフレーズがシンセで入ってきます。

スネアのゴーストノートがいい感じにノリを作っています。

 

シンセフレーズの一回目は単音ですが、二回目はオクターブで音が重なっているようです。

 

使ったドラム音源はAddictive drums。2ではなく1で、定番のプリセット「Startup」をほぼそのまま使用しています。パン(各パーツの定位)だけ原曲に合わせて動かしていますが。

シンセは今回magical8bitPlugを使いましたが、原曲はもう少し密度が薄い音に聴こえるので、もしかしたらMassiveかもしれません。

Addictive drums magical8bitPlug

 

そしてイントロ後半(0:11~0:20)でギターとベース、前半とは別のシンセが入ってバンドサウンドが完成します。magical8bitPlugは一旦お休みです。

ギターは左がパワーコード、右がオクターブ奏法でシンセとユニゾンするように同じフレーズを弾くというもの。

 

ベースはフレーズ自体は単純なものの随所に32分の連打があり、なかなか人には向かない感じになっています。

 

シンセはロックオルガンとエレピの中間みたいな音に変わり、パンが中央に寄りますが、前半と全く同じフレーズです。

 

使用音源ですがベースはMODO BASS、ギターは生演奏、シンセはMassiveでコピーしています。

原曲のギターは打ち込みなので、逆に生演奏だと近い音が再現できず苦労しました。コピーの方はマーシャル(kemper)とレスポール(Variax)で弾いていますが、聴き比べるとかなり違いがあるはずです。

シンセは近い音をプリセットから選んだだけでして、ベースがMODO BASSなのは単純にTrillianを持っていなかったからです。これもプリセットから可能な限り近い音を選びました。

 

Aメロ(0:21~0:45)

ドラム、ベース、シンセ、ギターからなるセクションですが、内容はドラム以外の3つが同じフレーズをユニゾンで繰り返すだけです。

ベース

 

ギター(※1回し目は無音なのでカット)

 

シンセ(magical8bitPlug

 

ドラム

 

それもベースがイントロで弾いていたフレーズです。基本的にドラムとメロによって展開を表現しているセクションだと言えるでしょう。

 

Bメロ(0:46~0:55)

ここで一気に雰囲気が変わります。

1番特徴的なのはシンセで、magical8bitPlugを左と右に分け、それぞれ短い音で別のフレーズを鳴らしています。

シンセ左

 

シンセ右

 

この2つはセットで鳴る事で効果が発揮されるように思います。

 

ギターは右のみ。ブリッジミュートでワンフレーズの繰り返しです。

 

ベースは8分の刻みです。進行は(D→E→D→E→B→D♭)。

 

またドラムには4分の表拍でカウベルが入り、少しトボけた雰囲気を演出しています。

 

サビ(0:56~1:26)

ボカロ名物『一気に開けるサビ』です。何万回聴いてもちゃんとカタルシスがあるからすごいですね。

ここからは曲のコード感がかなり分かりやすくなります。

 

ギターは左がオープンコードで(G→A→D→A)と繰り返し、右は1つの同じフレーズを繰り返します。

また、この左ギターはディレイか何かで右側にも-20%程度の音量で飛ばされています。バッキングの厚みを出すための工夫かと思われます。

ちなみに今回はwavesの「SuperTap2」で飛ばしました。

 

 

SuperTap2

 

シンセが右のギターにユニゾンで重なってきます。音源はMassive

そしてサビ後半ではイントロのフレーズを先取りして鳴らすことで、スムーズに移行する準備をしています。

 

ベースは(G→A→D→G♭)と進行するので、サビ全体としては(G→A→D→G♭m7)という進行になります。

 

ドラムは定番の「裏拍で刻むハイハット」。いわゆる卑怯ドラムというやつで、本当にどこまでも”ボカロ曲”を貫いています。

 

曲の総括

使用音源やミックスに大きな特徴がないからこそ、メロの良さや展開の器用さが際立っている印象です。

開放的なサビや裏打ちハイハットのようなボカロ的お約束は踏まえつつも、その「刺激的になりやすい要素」に寄りかかることなく、あくまで曲そのものの良さで勝負しているのが流石と言わざるを得ません。

本当にDTM歴2年程度でこの曲を生み出したのかどうかはさておき、そのセンスは本物だと思います。

 

自分でもどんだけ好きなんだという感じになって若干恥ずかしいですが、今後も新曲が出たら一も二もなくとりあえず聴くのは間違いないでしょう。コピーもしやすいし。