手軽なリバーブ除去プラグイン「ERA Reverb Remover」【使い方とレビュー】

クリップ除去ノイズ除去と来て、今回はリバーブ除去です。

リバーブ除去と言ってすぐに思い浮かぶのはRX7のDe-reverbUNVEILですが、どちらもかなりのガチな値段と操作慣れを求められるため、お世辞にも初心者向けとは言いにくいのが現状です。

そんな中、比較的新しいながらも確かな実力と突き詰められた単純な操作性、そして手頃な値段の三拍子を併せ持ったプラグインがあったので、レビューしてみます。

その名をERA Reverb Remover。地球破壊爆弾並みのストレートなネーミングセンスはさておき、初心者や「煩雑な操作はNG」という方にとって現状、ベストな選択肢になり得るのではないでしょうか。

 

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当記事の内容はVer.3時のものですが、現行のVer.4も見た目が変更されたのみで、使い方や各機能は共通です。

ERA Reverb Removerとは

accusonus社の誇るオーディオ修復プラグイン集「ERAバンドル」の一角にして、その名の通りオーディオファイルのリバーブ成分だけを除去してくれるプラグインです。

想定される用途としては

  • 他人から送られてきた録音データのリバーブが多過ぎる
  • 購入した音源のリバーブが強いので緩和させたい
  • 宅録した音声の部屋鳴りを減らしたい

などなど。海外だと「最寄りの教会のパイプオルガンを高音質で聴きたい!!!!」みたいなのもあったりするんでしょうか。

 

使い方

使用方法は至極単純なため、特筆するようなこともありません。挿して真ん中のノブを回していくと、リバーブだけが減っていきます。

ERA Reverb Remover

Reverb Remover固有の機能としては下のボタンで指定した帯域に対してリバーブ除去の処理を集中させることができるようになっており、ソースに応じてある程度挙動を合わせることができます。

僕が使ってみた範囲ではリバーブは高域に残りやすいこともあってか、高域を強く処理するといい結果になることが多かったです。

とりあえず一番左の全帯域で試してみて、上手くいかなければ他を一つずつ試していくというやり方がオススメです。

 

実際の効果を聴いてみる

今回はギターにリバーブを掛け録りし、それをReverb Removerで除去するという不毛の極みみたいな行為によって検証します。

適用前

適用後

 

割と綺麗に消えているんじゃないでしょうか。少なくとも、オケに混ぜる時には邪魔にならない範疇まで持ち込めていると思います。

今回ノブは12時くらいで止めているため、やろうと思えば不自然なレベルで完全にリバーブを切ることも可能だったりします。

 

実際に使用してみての所感

結論だけ言うと、十分使用に耐える造りです。ただ、いくらか注意が必要だとも感じました。

ソースを選ぶ

他のERAシリーズと比べると、このReverb Remover元の録音素材によって結果の差が大きいように感じます。

具体的に言うと、

  • 実音がハッキリしていて、その後ろに余韻的な残響が乗っているタイプのソースなら綺麗に消せる。
  • 逆に実音が滲むタイプのリバーブが掛かっている場合は、なんというか「リバーブで滲んだ感じの実音なのに、残響はない」という不自然な感じになる。

という印象があります。

別の言い方をするなら、

  • オフマイク(遠距離)で録られたソースは苦手、オンマイク(近距離)のソースは得意
  • インサートのリバーブは苦手、センドのリバーブは得意

といった感じ。

リバーブが強く実音がハッキリしないソースに掛けていくと、早い段階でポンピング(音が不自然に前後する現象)が起きます。これは実音とリバーブ成分の判別が上手くいっていないためだと思われます。

 

逆に得意とするソースは「オンマイクで録られた実音がハッキリしている音」なので、アタックが強いパーカッション系の音などは相性が良いです。

裏を返せば、録音の段階で実音がハッキリしやすいようにある程度オンマイクで収録しておけば、後段でReverb Removerが掛けやすくなるとも言えます。

 

声素材と相性がいい

特に声素材に対して効果が出やすいのはERAシリーズ共通で、このReverb Removerもご多分に漏れずそうでした。

自宅でナレーションを録音する場合など、どうしても若干入ってしまう部屋鳴りを抑えるのに使用する、みたいな用途にはとてもお勧めです。費用対効果の高い投資になるでしょう。

とは言え、やっぱりオンマイク録音でないと厳しいのは変わりません。

環境的に若干の部屋鳴りが入ってしまうのは分かっているので後からReverb Removerで対処したい、などを考えている場合、可能な限りオンマイクで録ることを心掛けましょう。

 

掛け過ぎは原音を損なう

これもERAシリーズに共通する点ですが、掛けすぎると原音に影響が出ます。

いくら自然にリバーブを切れると言っても、お風呂場を無音室にするようなことは厳しいです。出来なくもないですが変にボワボワした音になってしまい、音楽的とは言えない仕上がりに。

DTMで使う場合、オケに混ぜる前の下処理として使用するのが想定されますが、オケに混ぜないで単体で聴き比べれば違いがわかる程度の効きがちょうど良い塩梅かと思います。

 

終わりに

基本的に不要なリバーブは入らないように録音するのがセオリーなので、後から消そうとするのはあくまで対症療法に過ぎません。

しかし多様な事情により、どうしても後から対処せざるを得ない場面は往々にしてあるもの。その際の保険としてのReverb Removerは、確かにおすすめだと言えるでしょう。

特に60ドル程度という値段&ノブを回すだけという手軽さの割に得られる結果としては、これ以上ないというレベル。冒頭でも書いた中級者向けの競合プラグインとは明確な差別化が図れています。

ちなみにERAシリーズは3つ以上買うようであれば、バンドルで購入した方が安く上がります。他のERAプラグインの記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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