前回の記事を参照したことにより、あなたは無事にCakewalk by BandLab(以下Cakewalk)をインストールし、起動するところまでこぎつけました。(断言)
そうなれば早速、溢れ出るアイディアを叩きつけていきたいところですが、とはいえ、まずは音の出し方を知る事が先決です。
「鳴らないDAWはただの負荷」。これは今考えた標語ですが、せっかく導入したDAWがうまく鳴らせないことで、「難しいものだ」というネガティブなイメージを持ってしまうのは避けたいところ。
なのでこの記事では、あなたがCakewalk by BandLabを使って打ち込みをし、音を出してみるまでをサポートするものにしていきます。具体的な手順は次の通り。
- 音源を立ち上げる
- MIDIを打ち込む
- 設定を見直す(音が出ない場合)
ここまででボートに乗り、オールを持つところまで来ました。あとは漕ぎ方さえ覚えれば、時間はかかっても目的地に到達することができるようになるのです。
シンセ(=音源)を立ち上げる
Cakewalkを立ち上げ、デフォルトの画面を表示します。
画面左上から「挿入」→「プラグインシンセ」と進むと、現在インストールされているシンセ(音源)がベース、ピアノなどのジャンル毎に分類されて表示されます。
今回は例として、前回の記事で導入したエレクトリックピアノを選択してみます。
シンセをどう立ち上げるか、という設定が表示されます。
たくさんあってやだなー怖いなーと思いますが、通常の使用においては9割方、「インストゥルメントトラック」しか使いません。ので、それにさえチェックが入っていればOKです。
他のトラックは今後、もっと複雑な操作をしたくなった時に使います。
上手くいくと、音源のトラックが新規追加されます。(赤の部分)
シンセアイコン(青の部分)をクリックし、シンセの画面を表示してみましょう。
シンセが表示されます。控えめに言ってアガりますね。
シンセの音質をいじりたい時は、この画面で操作することになります。
以上で、シンセの立ち上げは終了です。
DAW側の設定が上手くいっている場合、シンセ画面下部の鍵盤をマウスでクリックすると音が鳴ります。小室かってくらい掻き鳴らしてみましょう。
鳴らない場合はこの記事で解説しているポイントを参照して、設定を見直してみてください。
MIDIを打ち込んでみる
無事シンセが立ち上がったら、MIDI(※)を打ち込んで音程を鳴らしてみましょう。
これができれば、作曲するに当たって物理的に必要なものは揃ったと言っても過言ではありません。
トラックに戻り、シンセトラックが選択(名前が黄色になっていればOK)されていることを確認して、右側のタイムライン上で右クリックします。
「表示」→「ピアノロールビュー」と選択すると、DAW画面下部に以下のような画面が開きます。
これは「ピアノロール」と呼ばれる、MIDIの入力画面です。Cakewalk独自の機能ではなく、現行のDAWのほとんどに採用されています。
縦軸が音程の高さ、横軸が再生した時の時系列を表しており、ここにMIDIを置いていくことでシンセに演奏させるのが、いわゆる「打ち込み」です。
そうと分かれば、実際に打ち込んでみましょう。
と言ってもやり方は単純で、ピアノロール上にマウスカーソルを持っていき、どこでもいいのでクリックして右へドラッグするだけ。
これでMIDIが打ち込まれ、(設定が上手くいっている場合は)同時に音も鳴ったはずです。ちなみに消したいときは右クリックすれば消えます。
上の動画では4小節目に全音符のファが入力されています。こういった手順で目的のタイミングに任意の高さの音符を置いていくことで、作曲を進めていくというわけです。
入力が済んだら画面上部の再生ボタンかキーボードのスペースキーを押せば、入力したとおりに再生されます。
その際、再生する前に一番最初の音の直前辺りをクリックし、カーソルを移動するのを忘れないように注意しましょう。
以上でMIDIの打ち込みも終了です。
これでもう、晴れてあなたも坂本龍一や中田ヤスタカと同じ部類の人間となりました。滾る創作欲を好きなだけぶつけると良いでしょう。
音が出ない場合のチェックリスト(別記事)
上記の手順を踏む中で「操作はできたが一向に音が出ない」という場合、その原因がどこにあるのか?を切り分けて特定する必要があります。
ある意味、初心者の通過儀礼とも言えるこの問題。
具体的なチェックポイントは以下の記事にまとめておきますので、音が出ない場合は一通り試してみてください。
Welcome to DTM界隈
本当に初めて打ち込みをしたという方は、これだけでもだいぶ疲れてしまったかもしれませんね。お疲れさまでした。
しかし、新しいツールを使った時の特別な高揚感は今だけのものです。是非、君が代とか打ち込んだりして楽しく触ってみてください。
よく言われることですが、DTMは「一生続けられる趣味」です。頭まで浸かりきった時、そこにはまた別の景色が広がっていると予告しておきましょう。
何か謝らなければいけないことをしてしまったような気もしますが、DTMがあなたにとって、楽しい趣味になることを願っています。