DTMという文化のお膝元はそもそも海外諸国なので、必然的に購入するプラグインや音源も海外製のものがほとんどになります。
海外のオタクがアニメの国ジパングに憧れるように、我々島国のDTMerも日夜、遠い海の向こうで生み出される刺激的なプラグインの数々を買っては投げ買っては投げしているわけです。
しかし冷静に考えると、「一個人が世界を相手取って取引をする」など、中学生の時書いた小説以来の出来事なのです。
ここはネットなのですぐさま追い剥ぎに遭う訳ではないにしても、なかなかにリスキーな行為であることは間違いありません。
とりわけ「トラブルに遭った時の対処が難しい」と言われがちな海外取引の際には、何かしらのセーフティネットが欲しいところ。
そういうわけで僕がいつもお世話になっているのが、皆さんご存知PayPal(ペイパル)です。
PayPalには
- こちらの個人情報がショップ側に渡らない
- クレジットカードよりも手軽な決済方法
- 万が一の時の返金保証
など、海外ショップでの買い物にまつわるネックの数々を解消してくれるサービスが用意されているのです。そして無料。
日本のDTMerを気軽な海外ショッピングへと連れ出してくれるペリー的存在。グローバルな世界(重複)を垣間見てみましょう。
こちらの個人情報が決済先に渡らない
DTM用のプラグインや音源はやたらと高価であることも多いので、可能であればポイントが貯まるクレジットカードで決済したいと思うことも多いでしょう。
しかしTwitterのセール情報を辿って行ったら行き着いた正体不明の海外ショップにカード情報を渡すのはどうにも抵抗があります。プラグインの名前以外サイトの文字も読めないし、不信感が募りますね。
しかしPayPalを経由してクレジットカード払いをすると、こちらの個人情報は伏せたまま決済することが可能なのです。もちろんポイントもちゃんと付きます。
謎のサイトと謎の日本人による取引が実現するわけです。変な貴族の舞踏会みたいで楽しいですね。
クレジットカードより手軽なワンタッチ決済
早速海外ショップどうこうではなくなってしまいましたが、PayPalは決済がとにかく手軽になるように設計されています。
その機能の一つがワンタッチTMと呼ばれるシステムで、一度設定すると次からPayPal側のログインをスキップしてすぐに決済に移れるという仕組み。
ショップで「PayPalで決済」みたいなボタンを押すとすぐさまPayPalに飛ばされ、落ち着く間もなく決済方法の選択を迫ってきます。熱量がちょっと怖いですね。
購入ページから実に2〜3タップで決済が済んでしまうスピード感。
クレジットカードも振り込みなどに比べれば大概便利ですが、それをはるかに上回る手軽さです。
ショップの決済画面でカード番号なんかをちまちま入力する手間が省けるということだけで、登録する理由としては十分でしょう。
逆にデメリットとしては買い物のハードルが下がりすぎるということがあります。
買いたいと思った時には既に行動が終わっているため、罪悪感がゼロです。浪費癖に火が付く恐れがある人はあえてワンタッチを設定せず、毎回ログインすることでクールダウンの時間を設けたほうがいいでしょう。
万が一の際には返金対応もしてくれる
目に見えない形でお金のやり取りをするネット決済には、やはり常に不安がつきまといます。
利便性を得るための税金として誰もが諦めていたこの問題に、PayPalが一つの答えを提示しました。
それが「買い手保護制度」です。
万が一購入した商品が届かなかったりした場合に、ショップに変わってPayPalが返金をしてくれるというわけです。おっとなー。
そしてDTMer的に見逃せないのが「デジタルコンテンツなど無形商品も補償の対象になる」の一文。
プラグインの購入時にもこちらに非がない場合に返金の対象となるのであれば、だいぶ心理的なハードルが下がります。
しかしもちろん、いついかなる場合の取引でも対象になるわけではありませんので、一度規定には目を通しておくことをお勧めします。
登録と支払い方法と私
PayPalの登録はこちらから。
手順も以下の通り、迷う要素が極力排除されています。
支払い方法はクレジットカードやデビットカードに加え、銀行口座も最近使えるようになりました。
ただ、使える銀行が限られているのと口座振替の手続きが必要だったりするので、可能なら楽天カードマンになった方が今後も楽だと個人的には思います。
特にDTMerは決済の機会が多いため、時短しつつポイントも貯めていくやり方がお勧めです。
趣味を深めようとすればするほど危険度が上がっていく宿業を背負った日本のDTMerに、広い選択肢を与えてくれるPayPal。今となっては洋画における陽気な黒人並に欠かせない存在になりました。
今後さらにこういうサービスが増えてどんどん国の境がフラットになり、買い物がスムーズになっていくことでしょう。
それは同時に浪費額も増えていくことを意味しており、人類の発展に犠牲は付き物なんだなと思いました。(?)