【耳コピ講座2】ベースが聞こえない耳コピ生活【実例付き】

ベース 耳コピ

前回のドラム編に続き、今回は「ベースの耳コピ」の話です。

ドラム 耳コピ

【耳コピ講座1】ドラムから始まる耳コピ生活

2022.09.08

少し前まで「ベース なぜ必要」とか「ベース 聴こえない」など散々な検索のされようだった不遇のパートも、昨今はEDM系楽曲の台頭によって、その重要度が一般にも認知されるようになってきた感があります。

しかし知恵袋なんかを流している限り、ベースの聴き取りに苦労する初心者が多いという状況は今も、それほど変わっていないようです。

ベース 耳コピ

低音の聞き取りは単純に「慣れ」の問題なのですが、日常生活ではヤン車が通り過ぎた時くらいしか意識する機会がなく、いざ聴き取ろうとしても音なのか振動なのか区別がつかない……は言い過ぎでも、苦戦する人は多いのでしょう。

そこで「よしじゃあ夜な夜なクラブに入り浸って低音とお友達になろう!」という解決もアリですが、今回はもう少し別の、お家で出来るアプローチを提案したいと思います。

「聴こえないなら聴こえやすいように音の方をイジろう」。この学級目標みたいな標語が、今回のテーマです。

 

耳コピのコツは「いかに聴こえやすくするか」

上で書いた通り、ベースの耳コピにおける最大の壁はその「聴き取りにくさ」にあります。

なぜ聴き取りにくいのか、と言えば

  • 音が低すぎる
  • 他の楽器が被ってくる
  • そもそも音量が小さい

この辺りが理由として挙がるでしょう。

ならばあらゆる手段を用いて、それらの壁を取り除いてやれば聴き取れるようになるのが道理です。ベース耳コピのテーマはズバリ「いかに聴きやすくするか」にあると言え、聴こえさえすれば基本は単音楽器ですから、普通に歌メロを聴き取るのと同じような感覚で耳コピに入ることができます。

 

ベースを聴き取りやすくする手段

具体的な「聴き取りやすくする手段」は、以下のようになります。

  1. 音域を上げる&削る
  2. ベースだけ抜き出す
  3. 再生速度を下げる
  4. 聴こえやすい再生環境を整える

実際に拙作「悪女契約」のサビ部分↓に適用したものを参考に添えておくので、各効果を確認してみてください。

 

音域を上げる&削る

「音が低すぎて聴こえないなら上げれば良くね?」というギャルみたいな手法なのですが、これがマジ効果てきめん卍です。具体的には原曲のピッチ(音程)を1オクターブ上げることで、ベースのラインを見えやすくするというもの。

 

ベースがギターや歌と同じような音域に上がってくるため、コレだけでもかなり音程の上下が感じられやすくなります。

またその際、前回も取り上げたイコライザーで必要な帯域だけ残すという手法を組み合わせてあげると、さらに耳コピが捗ります。

ベース 耳コピ

ベースは大体500Hzより下が主な音域になるので、それ以上の帯域はバッサリいってしまった方が余計な音に耳を釣られずに済むのです。

 

万引きGメンに捕まったみたいなボーカルがカットされ、よりベースだけに集中できる環境が整いました。ここまでやれば4分音符なのか8分音符なのか、といった細部にまで気を配れるようになるでしょう。

以上2つの処理はDAW付属のソフトを併用するでもいいですし、YorkTrailやdeCoda前回記事参照)を使えば1つのソフトで一括処理が可能です。

耳コピは”目コピ”の時代へ。支援ソフト「deCoda」【レビュー】

2022.07.26

 

ベースだけ抜き出す

上記は色々な処理をして何とかベースを掘り出す、という手法ですが、何とこの世にはボタン1つでベースだけをぶっこ抜けるソフトも存在します。

RX Music Rebalance ベース 耳コピ

音感を鍛える的な耳コピの意義を考えると禁じ手もいいとこながら、その効果は絶大です。イコライザーでは上手く残せないようなベースでも、何故かRXだと綺麗に抜き出せることも多々あります。

 

上の手法ではどうしても残ってしまっていたキックが消えていることにお気づきでしょうか。凄いどころかもはや怪談じみていて、ちょっと怖くなってきました。

ただしこのRX割と値が張るため、万人にお勧めとは言い難いのもまた事実です。でも長く使えるモノへの投資は厭わない、という人であれば後悔しない選択肢でしょう。

 

再生速度を下げる

必死こいてベースを抜き出しても、そもそもフレーズが複雑or速すぎて聴き取れない、というケースは残念ながら回避できません。

まぁそれは普通に「耳コピツールで再生速度を落とす」だけで対策できるのですが、なまじ速度がゆっくりになった分「この音は前の音より高いか低いか」みたいに一音単位で注目してしまう、という状況には注意が必要です。

耳コピはフレーズの引き出しを増やすことも目的の一つなので、音をなぞることが目的になってしまっては元も子もありません。なので耳コピの際は、音を短いフレーズ単位で覚えることを意識してみてください。

人間の脳は不思議なもので、音の流れを点ではなく線で捉えた方が何故か正確に聴き取れることが多いのです。フレーズを一旦鼻歌で歌ってみて、それを再現するといったやり方がスムーズかつ正確に採れるのでお勧めです。

 

ベースが聴こえやすい再生環境を整える

ベースが聴き取れない要因として意外に見落としがちなのが、「普段の再生環境が低音のチェックに向いていない」というパターン。

初心者にはどれも同じように見えるスピーカーやヘッドホンも、実はモデルによって出音に結構な差があります。Aは低域が強く、Bは高域が強いといった感じで音域のバランスが違うため、実は普段使っているスピーカーは低音が弱いモデルだった、というケースがあり得るわけです。

対策としては、カナル型イヤホンや密閉型のヘッドホンを使うことが挙げられます。耳を密閉できる手段の方が、低音が振動として逃げやすいスピーカーよりベース音のチェックがしやすいのです。

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ベースに限らず、特定の音が聴き取りづらいと感じたら「再生環境を変える」ことを手段の一つとして覚えておくと良いでしょう。

 

聴き心地を原曲に近づける

とりあえず音だけベタ打ちで採れたら、そこから音質も原曲に近づけてみることで音作りに関する知識も同時に得ることができます。ベースの音質を左右する要素を1つずつ、確認していきましょう。

 

ベースの種類を合わせる

慣れていないと分かりづらいですが、ベースも種類によってアコギと三味線くらい音が違うので、ちゃんと原曲と同じモノを使用してあげるのが重要です。代表的なのは以下の3つ。

ベースの種類
  • エレキベース
  • ウッドベース
  • シンセベース

エレキベースは誰もが知る4本弦の楽器で、主にバンドサウンドの曲で使わることもご承知の通りです。長い歴史と根強い人気の中で生み出された、奏法の多彩さが特徴と言えます。

エレキベース 耳コピ

 

ウッドベースは人の背丈ほどもあるデカいバイオリンみたいなアレ↓です。コントラバスとも呼ばれ、ジャズでよく耳にする温かみのある低音が聴こえたらまずコレだと思っていいでしょう。

ウッドベース 耳コピ

 

そしてシンセベースは文字通りシンセで生成されるベース全般を指す言葉で、EDM系の楽曲はほぼコレの独壇場です。シンセならではの自由度の高さが特徴で、生楽器では出せない超低音や攻撃的な音作りをも可能としています。

ベース 耳コピ Serum

 

 

音色を寄せる

ベースの種類を合わせればだいぶ音の印象が近づくものの、それでも明確な違いを感じることでしょう。その差こそがいわゆる「音作り」と呼ばれる領域なのです。

まずエレキベースに関しては、

エレキベースの音作り

  • ベース本体(竿)
  • アンプ
  • エフェクター

の3要素を検討することで近づけていくことができます。

とはいえそれぞれの種類を1から学ぶとかは挫折しやすいので、最初は原曲で使用されている機材をググって再現することから始めるくらいが丁度良い塩梅です。それに慣れてくれば徐々に、「プレべとジャズべの違いがサァ!」とか「アンプとラインの混合率がサァ!」みたいに興味が広がっていくでしょう。

シンセベースも原曲と同じシンセを使うことが一番の近道なのですが、エレキとは「音作りの手法”の方が影響がデカい」という点で少し状況が異なります。

仮に違うシンセであっても、

シンセの音作り

  • 合成方式
  • 波形の種類
  • エンベロープ、エフェクターの使い方

こういった手法の部分を揃えられれば、ある程度似た音が出せることが多いのです。実際に有名曲の音作りを無料シンセで再現するといった趣旨の動画は多く見つかるので、一度「(コピーしたい曲名) ベース 音作り」でググってみる価値はあると思います。

ただコレはあくまで「学習としての再現においては」の話で、もちろんシンセなぞどれも同じだ等という過激思想ではないのでご注意ください。仮に完コピを目指すなら、特定のシンセでなければ出せない音があることは間違いありません。

またエレキ、シンセのいずれも、完璧に同じ音にすることは難しいということを頭の片隅に置いておきましょう。

特に最近の曲では複数のベースが重ねられているケースも多く、その組み合わせまで見つけるとかは現実的ではありません。あくまで「音作りの勉強」と捉えて音の傾向を知る程度に留めておき、あまり深追いしすぎないことが肝要です。

 

奏法(鳴らし方)を知る

ベースも他の楽器と同様、どう鳴らすか(奏法)によって出音に差が出るので、知識としては押さえておきたいところです。

特にエレキベースは「弦を弾く右手がどういう状態なのか?」が音質のカギを握っており、大別して以下の3つに集約されます。

 

エレキベースの奏法
  • 指弾き
  • ピック弾き
  • スラップ

指弾きが最もスタンダードな奏法で、弦を指で弾くので比較的、丸い印象の音がします。

ベース 耳コピ フィンガー

 

対してピック弾きは文字通りピック(薄い板)で弦を弾くため、アタックが強調された粒立ちの良い音になります。

ベース 耳コピ ピック

 

そしてスラップは「親指は弦を叩き、その他の指は弦を引っ張って離すことでフレットに弦をぶつけて打撃音を出す」という特殊な奏法で、全体的にバキバキ鳴るのが特徴です。

ベース 耳コピ スラップ

 

ただスラップは本来「打撃音をパーカッシブに聴かせるカッコよさ」を追求する奏法なので、↑のような使い方はあまりしません。通常は↓のようなフレーズで耳にするでしょう。

 

耳コピの難易度で言えば、スラップが断トツで難しいのは音源からもお分かりだと思います。コレだけはスラップ奏法そのものへの理解がないとベースをどうイジっているのかも想像できないため、打ち込み派の人も一度は解説動画などを見ておくことを推奨します。

初心者の方はとりあえず以上の3つを判別できるようになりましょう。ベースの奏法は他にも数多ありますが、その辺は直面するたびに都度、学んでいけば大丈夫です。

 

次回はコード(和音)編

以上の対策を経てもなお、どうしても聴き取れない部分が出てきてしまったら、最後はネットに頼ってしまうのもアリです。曲名でググれば楽譜だったり、TAB譜を配布している演奏者の動画なども今はすぐ見つかると思います。

99%を自力で聴き取れたならそこが今の限界で、あとの1%は今後の伸び代として捉え、今は答えを見て学べば良いのです。10%頑張って90%答えを見る子どもだった僕は、今とても後悔しています。

そして今回無事にベースが採れた場合、前回のドラムと合わせて曲の土台が完成したことになります。何故この順で進めてきたのかと言えば、この土台が次にコピーする上モノの手掛かりになるからです。

そういうわけで、次回は「コードの耳コピ」を予定しています。耳コピ生活もいよいよ佳境に差し掛かかってきましたが、何か手掛かりが示せていることを祈るばかりです。

 

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当ブログ管理人です。 DTMを10+x年、ひっそりやっています。 記事内容をもっと詳しく知りたくなったら是非、オンラインレッスン↓へどうぞ。